ミルオドル ~ICHIBANGAI の Dance な日々~

新宿御苑駅徒歩2分「ICHIBANGAI-dance studio-」より、ダンスにまつわるさまざまなお便りをお届けします。

二見一幸作品『Black Flower』 そして『Rifka』のご紹介!!

みなさん、こんにちは!

刻一刻と本番の日が迫って参りました。

ここからはもう当日まで怒涛の作品紹介!

 

まずは二見一幸作品!!

『Black Flower』そして『Rifka』

浦野芳子さんによる作品解説でご紹介します。

二作まとめて、どうぞ!!

 

 

静と動、ふたつの世界から二見ワールドを堪能

By 浦野芳子

 

2015年に南林間のスタジオでこの作品を観た拝見した時、すばらしい作品だ!と思った。レッスンスタジオの半分を舞台に見立てた小さなスペースを、スピーディでありながらしなやかに踊る身体が、駆け回る。身体は空気の流れを変え、小さな空間を何倍ものスケールに見せていた。スタジオを出て、劇場というスペースでこの作品を観られるということに期待せずにはいられない。舞台から巻き起こる旋風、熱気、鼓動が客席にどんな風に広がってゆくのだろうか。

 

今回の公演は当時のものをベースにしながら、田保知里佐藤洋介、森川次朗、中村真知子、龍美帆、が新たにメンバーに加わり、新しいシーンを増やしたそう。

スタジオパフォ―マンスの時より一層肉厚になった表現を期待できそうである。

 

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ところで、フラワー、花、と言うと鮮やかな色や優しい色をまず思い浮かべてしまうが、ある地域には本当にブラックフラワーが咲くのだそうだ。

 

「神秘的で強いイメージを感じたのでタイトルに選びました」

 

ところで、二見作品の特徴には、二見自身の唯一無二の身体の動かし方がある。力強く結び合ったかと思えば次の瞬間にはが、するりとほどけていくような、独自の動きはあまりに自然で、そしてエレガントですらある。この動きのヒミツを教えてほしいと請うと、

 

「動きのベースは僕の即興から生まれています。ずーっとこのやり方でやって来たので、自然に今のスタイルになった感じです。

上下、左右に上体や足腰をねじるので、バレエの基礎は大切です。アカデミックに引き上げる力が無いとクオリティーの高い動きが難しいと思います」

 

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そして本公演ではもう一作品、『Black Flower』と同時上演された『Rifka』が舞台に上がる。初演時同様、井神さゆりのソロ作品である。こちらはエネルギッシュな『Black Flower』とは趣の異なる静謐な作品で、白い衣装を着た井神が優雅にポーズを変えただけで、まるで天からの遣いのようにまばゆく見えた。

 

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長年バレエを中心に精進を重ねてきた身体はまさに神々しく、拝みたくなるほどのオーラをまとっている。あれから二年の時を経た彼女が今どんな心境で、どんな新体制でこの作品に臨むのかも、本公演を通しての見どころのひとつとなるはずである。どんなに機械化・IT化が進んでも、それらと人間の間には魂の有無と言う決定的な違いがある。それを強く感じさせるものはいつも、鍛錬と経験を重ね成熟した大人の表現者たちの舞台である。

 

そして抽象的な作品になればなるほど、評価は受け手のイメージに委ねられる。だから難しい、のではなく、だから面白い、のである。自分の想像力の赴くまま、自由な心で作品を受け取るのも、魂の有無による違いであり、舞台芸術鑑賞の愉しみのひとつ。ふたつの二見作品はきっと、遠い世界へと心を誘ってくれるだろう。

 

 

 

今週末は、ぜひ劇場に!!

第二回スタジオ公演『Assembly』は、

2月18日(土)、19日(日)の二日間、新国立劇場小劇場にて!!

遠い世界への心の誘い、ぜひみなさんもご一緒に!

劇場でお待ちしています。

公演概要はこちら!!

第二回スタジオ公演『Assembly』