ミルオドル ~ICHIBANGAI の Dance な日々~

新宿御苑駅徒歩2分「ICHIBANGAI-dance studio-」より、ダンスにまつわるさまざまなお便りをお届けします。

来週土曜初日!スタジオ公演より池田美佳作品「Light of silence-光降る場所」のご紹介!

みなさん、こんにちは!

スタジオ公演初日、もう来週の土曜日です!

それぞれの作品、リハーサルも大詰め。

そんな中、今回、初めてスタジオ公演にご自身の作品を出される、池田美佳先生にお話を伺うことができました。

韓国で初演された作品の再演、ご自身の振り付けによるソロ作品だそうです。

どんな作品なのか? 詳しく伺ってみましょう!

 

 

 Q.これまではダンサーとしてスタジオ公演に参加してこられましたが、今回は作品を提供されるにあたって、なにか心境の違いはありますか?
振付家の作品を踊るのと、ご自身の作品を踊る際の違いなど、もしありましたら合わせてお聞かせください。
 
昨年秋に海外でソロ作品を発表したあたりから、自分の中で久しぶりにクリエイティブスイッチが入っていて、これから精力的に自分の作品創りと向き合いたいと思っていたまさにそのタイミングでした。
これまでは、尊敬している振付家の先生方の作品を躍らせて頂ける事が毎年の楽しみであり、公演の醍醐味でもありましたが、今回は自作という事で、より一層、ダンサーとして、表現者としての自分が何者であるかを明確にして舞台に立つ必要があると思っています。 自分より踊りが上手な人や素敵な人は世の中にごまんといる、でも自分と全く同じ個性の人はひとりとしていない、そこに少しの希望と可能性を見出してありのまま、素の自分で存在出来たらなぁと思っています。

 


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  【初演より 撮影:大洞博靖】

 

 

Q.今回の「Light of silence-光降る場所」は、昨年韓国で上演された作品の再演と伺いました。タイトルに込めた想い、本作の想を得るきっかけとなったもの、着想のヒントなどありましたらお聞かせください。


 
「光」そして「静寂」と言うのが今回のキーワードになっていますが、このワードひとつとっても様々な解釈があると思います。

最近感じているのは、人は心にグッとしみわたる瞬間に出くわした時、我を忘れて虚無の状態になることってあると思うんです。泣く子も黙る静けさのような…。私の場合、もの凄く感動する踊りに立ち会えた時とか、感動的な映画や音楽に出会えた時だったりするのですが、そんな「すんっ」とした鳥肌が立つ程の静けさが好きで。そう言う瞬間をたくさん味わえるって生きていてすごく幸せな事だなぁと。苦労して登った山頂での朝日みたいな。
人は皆、個々のレベルで辛い事も苦しい事も多々あると思うのですが、そういう自分の中にある葛藤や、どうにもやり場のない想いとかそう言うのをたくさん味わうごとに、その先にある幸せや人の温かさをより深く味わえるようになる。それだけ真剣に人を愛したり、目の前の何かに立ち向かったりしてたくさんの消化しきれないカオスな感情を味わい切った先に、何かを超越するような、何かに包まれるような安堵感が生まれる。求めるんじゃなく今すでにここにあると、そう気づけた時、そこには温かい包まれるような安心感と静けさが残る。

 
陰も陽もどちらもあるからこそより美しさを感じられる。そこにある""と言うのが今回のテーマです。

 

 

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   【初演より 撮影:大洞博靖】

 

 

 Q. 初演時の手ごたえ、反響などがもしありましたらお聞かせください。
 
 
初演は韓国公演だったのですが、ニュースでは韓国との情勢があまり良くないと言うような時期で、親は行くことさえも心配したりしていて、日本人として、舞台に立つ事がどんな風に受け入れられるんだろうと言う心配がありました。しかし、現地ではスタッフさん含めとにかく優しく丁寧な対応をしてくださり、また踊り終わった時には日本では味わう事のないような拍手や歓声を頂くことが出来た時に、いかに表面的なイメージが無意味であるか、そして芸術やエンターテイメントは国を超え、人を繋ぐんだなぁと言う事を身を持って感じました。その事は、(受け入れられる場所、そうじゃない場所も含めて)これからもっと多くの国々で表現をしてみたいと思わされる体験でした。

 

 

Q.再演にあたって、なにか改訂されたことはありますか?
 
 
韓国では15分だったのですが、今回は10分という事で短縮バージョンになります。制約のある中で最初に創った時の感情の流れは削ぐ事がなく、むしろ凝縮していけるように、試行錯誤している最中です。
  
 


Q
.楽曲は何をお使いになりますか?
その楽曲を選んだ理由などもあわせてお聞かせいただけたら。
 
 
メインとなる楽曲はLiberaの『永遠』という曲です。
Libera
は好きで良く聴いたり、作品に使ったりするのですが、気持ちの浄化や感情を昇華させていく作業に凄くハマると言うか、自身を現実を超えた非日常的な空間に誘ってくれる存在です。
今回は全部で3曲使っていますが、私はいつも音の感動に触発されて踊りが生まれる事が多いので、まさにこれらの曲に突き動かされて今回の作品が生まれました。どの曲もすごく繊細で美しい楽曲なので、是非細かい一音にも注目して聴いて観て頂けたら嬉しいです。
  
  
  
Q
.最後に、このブログをお読みくださっているみなさんにメッセージをお願いします。

 
実は今回の振付はこれまで自分が創ってきた作品の全てのカケラを集めたものになっています。ある意味、これまでのオマージュのような…。 日本で作品を発表する事は、海外でやるよりもある意味でドキドキすると言うか、色んな目線が気になってしまったりもするのですが、今回はそういった事をすべて取っ払って、いま出来ること出来ないこと、自分の弱さも認めた上で、これが今の私ですと言えるような、そんな覚悟を持って舞台に立てたらなぁと思います。
何よりも観に来て下さる皆さんと大切な時間を共有させていただける事に感謝。
この公演には他にも沢山の日本の素晴らしいダンサーの方々が出演するので、ぜひご自分の色んな人生と照らし合わせながら生の舞台を味わっていただけたら幸いです。

 

 

公演初日は来週土曜!

劇場でお待ちしています!!

 

また、インスタグラムにて本公演のリハーサル風景写真など をご紹介しています。

あわせてぜひご覧ください。

 

https://www.instagram.com/ichibangaids/

 

公演概要はこちら!

https://www.facebook.com/events/513719582455269/